容量の「Wh」と、出力の「W」は別のもの。
Wh(ワットアワー)は、使える電気の量を考える単位です。10Wの照明を5時間使うと50Wh。1,000Whは1kWhです。一方、W(ワット)は同時にどのくらいの電力を使うか。容量が十分でも、電源の定格出力や端子の上限を超える家電は使えません。
冷蔵庫やエアコンは運転状態で電力が変わり、起動時にも大きな電力が必要になることがあります。使用量には実測値やメーカーの使用条件を使い、接続できるかは別途確認してください。スマホだけの備えなら、モバイルバッテリーも選択肢になります。
このシミュレーターの計算方法
ポータブル電源の容量目安 = 使う電気 ×(1+余裕)÷ 0.8 ÷ 開始時の充電割合
充電する機器は「1回の充電量×回数」、冷蔵庫・エアコンは「1日の使用量」から計算します。初期の機器数値は編集部の仮入力で、特定製品の仕様や全家庭の平均ではありません。機器に合わせて変更してください。
電力変換などの損失を見込み、ここでは80%を使える仮定にしています。これはメーカーが示す概算方法を参考にした共通の計画値で、製品ごとの実測効率ではありません。初期の余裕20%はミエソナ独自の仮定です。目安は50Wh単位で切り上げます。
機器の待機電力や電源自身の消費電力、経年劣化、低温などによる容量低下は個別に計算していません。太陽光など途中の充電も加算していません。長期間・低消費電力の使用ほど、単純計算と実際の差が大きくなることがあります。
ポータブル電源と、家庭用蓄電池。どう考える?
必要な機器へ個別につなぐなら、持ち運べるポータブル電源が候補です。容量と出力に加え、端子の種類、重さ、保管・充電のしやすさを確認します。家の回路へ給電したい場合や200Vの設備を使いたい場合は、据え付ける家庭用蓄電池を含めて施工会社と検討しましょう。
家庭用蓄電池の「公称容量」と、停電時に取り出せる電力量は同じとは限りません。試算結果のkWhを相談の出発点にし、性能表示の「初期実効容量」「初期停電時放電容量」、停電開始時の残量、劣化時の条件を合わせて確認してください。
家全体を対象とする構成でも、すべての家電を同時に使えるわけではありません。使える回路、停電時の出力、100V/200V、自動切り替え、太陽光からの充電条件を確かめます。メーカーのシステム構成例でも、対応する電圧や切り替え設備は構成ごとに異なります。
備える場所と、安全な使い方も。
電源は浸水・高温・強い衝撃を避け、製品の説明書に沿って保管・使用します。水にぬれたり損傷した電源・家電を、そのまま通電しないでください。医療機器や生命維持に関わる電源選びは、この試算の対象外です。機器メーカー・医療機関に確認してください。
家のコンセントへ逆に電気を流す接続はせず、建物の回路への給電は専門業者に相談します。洪水や津波など避難が必要な場面では、電源の確保より避難を優先してください。
参考にした資料
2026年9月26日確認。ミエソナ編集部(BMS株式会社)。計算は容量選びの参考情報で、設計・施工や製品適合の判定ではありません。